テナーの美味しいところ独り占めみたいなエリック・アレキサンダーです。このアルバム’93年録音のまだ若い頃、2作目のリーダーアルバムで、ともかく太くて体育会系バリバリの音です。最近の演奏ではキャリアからくる余裕も感じられるようになり、今最も活躍するテナーマンですね。デビューの頃は「デックスの再来」と呼ばれたようです。古くからのJAZZファンに最近のプレイヤーには個性がないと言われる方が多いですが、他人と差別化するために自らのスタイルを革新するプレーヤーもいれば、音楽の内面を磨く事で進化するプレーヤーがいる、それで良いのではないでしょうか。JAZZの歴史も100年が経つのですから大方のスタイルは出尽くしているので革新型のプレーヤーは出にくいですね。JAZZジャイアンツはともかく個性的だしオリジネーターですから我々ファンは引き付かれる様に聴きます。そのJAZZジャイアンツをベースに進化したプレーヤにオリジナリティが希薄である事は、芸術一般に共通して言える事です。私は、そういったプレーヤーの演奏を聴くときは一歩踏み込んでみることにしています。「なぜこのようなフレーズなのか・テンポなのか・リズムなのか」そうすると、自ずとプレーヤーの個性が浮かび上がってきます。スタイルの類似性が気にならなくなります。もちろん、真似ばかりのドウシヨウモナイノモありますけど。大概は面白く聞けるようになります。お試しください。
1.Up,over & Out
2.The Nearness of You
3.Eronel
4.Bewitched(Bothered & Bewildered)
5.Flying Fish
6.Blues For Mabe
7.I Remember Clifford
8.Ba-Lue Bolivar Ba-Lues Are
Eric Alexander (T.sax)
Harold Mabern (p)
John Ore (b)
Joe Farnsworth (d)